■例えば本州に住む我々が必要以上に恐れる場合が多いヒグマは北海道のちょっとした奥地にはいくらでもいるが明治の初期のような食害で悲惨な事件が再々起こっているわけではない。ただヒグマの生態や性格を知らないでズカズカ彼らの生息域に踏み込めば自己防衛のために彼らが捨て身になるのは理解できると思う。熊鈴をつけ、見通しの悪いカーブではこちらの存在を知らせる・・こんなちょっとしたことで遭遇事件やうっかり母熊と子熊の間に割って入るとかという最悪の状態は避けられるはずだ。
■これらのことから敵対心や征服感を丸出しにして奥地で渓流釣りに興じて、ヒグマに会えば「熊スプレーをぶっかければいい」という考えなどは彼らの身体能力、知恵の高さの前には笑い話にもならない。(木登り、短距離選手並みの疾走、達者な泳ぎ、待ち伏せなどの知恵、強い独占欲など) 地元の人は熊の急所は鼻で有ることはたいてい知っている。不幸にして至近距離で出会えばやはり(ナタ一つで)戦う覚悟を決めるしか手段はない。そういう意味でガイドなしで(遊漁許可された)山岳渓流で釣りをする場合装備は同じ重量でも熊スプレーより熊鉈、熊鈴、熊笛を持つほうが現実的といえる。(そういいながら私はとりあえず熊スプレーもまじない代わりに鞄にいれるが・・)
■装備については日程、目的地、宿泊のスタイルによって違うがやはり釣りを中心にした場合、しかも単独行を考えた場合は野営スタイルはよっぽどのこだわりを持たない限りは選択肢から外すのが賢明だ。獣(ヒグマ、野犬)の危険は本州の比ではない。どうしても野営にこだわるのなら常設のキャンプ場の利用をおすすめする。ちなみに私の場合はとりたてて奥深い野性の前に脆弱な身体をさらし出す勇気は持ち合わせないのでもっぱら人並みに温泉地の安い宿を探すのを楽しみにしている。そうすれば装備もぐっと軽くなり釣りの装備品がその分 余計に携行できる。
■前出のレンタカースタイルで道内を釣り歩く場合はその車種にもこだわりたい。昨年度は安くあげることに精力を傾けすぎ車種の選定を過った。昨年度利用したトヨタのビッツは町乗りには面白いが釣場へのムーバーとしてはとても向いていない。トランクには釣道具の竿ケースのプラノさえ入らない。また収納スペースが四枚ドアなのにそれぞれいちいち開け締めして厄介だった。今年はほぼ似た料金で同クラスのファンカーゴにした。フルフラットの荷室は簡易ベットルームになり台風で身動き取れなくなった日は開陽台の展望台で暴風に揺られながらも車内でゆっくり朝食がとれた。中標津空港のトヨタレンタカーでは忠類川サーモンフィッシング専用にカローラバン、スプリンターバン、カルディナバンを一日5000円、ハイエースロングバンを8000円という破格のサービスも8/1〜11/30限定で利用できる。その気になればバイカーのように道の駅を利用しながら各地を楽しむこともできるかもしれない。
■実際の携行品は種類、例えば網(ネット)一つとっても目的によって身につけるべきタイプは違ってくる。昨年道東の山奥でかなり良型のニジマスをかけたのに最後にリリースネットでどうしてもすくえずもたもたしている内にフックが外れてしまった。それ以来、まさかの大物対策でウエーディングベルトには大振りのインスタネットを取りつけてある
■基本的でも有り 釣り人なら当然遵守しなくてはならない道内の様々な遊漁規則だがこれは忠類川HPのリンク、道庁のHPから確実に予め情報を得ておきたい。